質問するカフェ:ハテナソン共創&交歓会を札幌と東京で開催しました
「質問するカフェ:ハテナソン共創&交歓会」を11/29(火)に札幌で、12/3(土)に東京(市ヶ谷)で、それぞれ催しました。参加者は札幌が4名(男性1、女性3)、東京が9名(男性8、女性1)でした。会では、まず参加者間で自己紹介を兼ねたウォーミングアップをして、そのあと進行役が「この会は、ダン・ロススタイン氏らが開発した質問づくりメソッド(Question Formulation Technique)を体験しながら学ぶ会である」こと、そして「ハテナソンとはなにか?」を説明しました。そのうえで、進行役が新聞記事を使って設定した質問のテーマ(質問の焦点)に対して参加者が質問をつくる「新聞ハテナソン」を約2時間かけておこないました。
札幌では当日(11/29)の北海道新聞の朝刊記事を活用して「サケに学ぶ自然、命 今年も授精、飼育 来春放流」 を質問の焦点としました。その結果、つくられた質問は:
- この後、子供たちは生きる意味をきちんと考えることをしたのかな?
- カムバックサーモンは、人間のため?(結局食べてる)
東京では前日(12/2)の読売新聞の朝刊記事を活用して「グローバルリーダーを育てるために中学受験に英語を取り入れる」を質問の焦点としました。その結果、つくられた質問は:
- 英語に加えて人の魅力を高める教育はありますか?
- WASPの英語だけじゃダメなんじゃないですか?
- 英語を学ぶ価値を教えるべきじゃありませんか?
- どう育てればグローバルリーダーといえるのか?
- 英語は本当に必要なのか?
- 子供の負担が大きくならないですか?
- どうしてこの記事からこの質問の焦点が出てきているか?
- 英語での受験を中学受験で取り上げたこの記事の意図は何か?
- 中学校入試の中に英語を取り入れることでどんな影響が生まれると考えていますか?
ご参加いただいたみなさん、お越し頂き、そしてたくさんの質問を考えだしていただき、ありがとうございました。そしてたいへんお疲れさまでした!
質問するカフェ:ハテナソン共創&交歓会 IN サッポロ&トーキョーのおしらせ
「質問するカフェ:ハテナソン共創&交歓会」をはじめます
今月末から、新たなハテナソンの催し「質問するカフェ:ハテナソン共創&交歓会」をはじめます。いままで幾度か行ってきた「ハテナソン体験&勉強会」という取組の発展版で、東京千代田区のNPO法人「アイデア創発コミュニティ推進機構(iCON)(注1)」のアイデアメソッドラボ活動(注2)の一環としておこなうものです。催しの中でおこなうことは「ハテナソン体験&勉強会」と大きく変わりません。しかし、大学や学校の中ではなく街中のイベントスペースやそのほかの公共の場でおこなうということを基本としています。そこで、もっと親しみやすい名称に変えてみることにしました。
詳しい日時や場所は、おってお知らせします。
注2:アイデアメソッドラボ(idea method LAB)
ハテナソンとは何ですか? 2016/03/06 大学コンソーシアム京都FDフォーラム第1分科会にて(その6)
以下に箇条書きで示すのは、参加者アンケートの自由記述欄におけるハテナソン(質問づくりワークショップ)に関する記述を抜粋したものです。参加者は大学教職員を大部分として90名超ありました。質問づくりという、おそらくほとんどの参加者の皆さんにとって予想や想定のない取組みをぶっつけ本番でおこなったのですが、反応はおおむね良好でした(参加者みなさんの、新しいことや、不確かなことへの対応力や柔軟性、寛容性が高い、ということでしょう)。今回の取組は、昨年度(2014年度)の同じFDフォーラム分科会の参加者の声に「参加者同士のインタラクションがもっとほしい」というものが多かったことを受けて改善を期したものとしても位置づけていましたので、少しは手応えがあったと言えると思います。そのいっぽうで改善点もたくさん見つかりました。質問づくり以外のことでほとんど話ができなかった、何をすべきかわからなかった、といったコメントもありました。
- 進行方向(注釈:進行方法のこと?)そのものがFDでした。
- 内容も進行方法も最高でした。ありがとうございました。
- 面白かったです。
- グループワークが良かったです。
- 内容によっては、やや、かけ足の印象
- グループWSは、むつかしかったですが、わからないなりにも質問の3つができあがったことが達成感があり、課題を考えるきっかけになった
- ワークがあるのはよいと思うが、何をすべきなのかが最初わかりにくかった
- 質問作りというアプローチによって、問題点が整理されました。
- ワーク形式ならワーク形式と事前にプログラムに記すべき。好まない人もいる。好まない場合もある。
- 質問づくりの3ステップの必要性があまりよくわかりませんでした。
- グループワークでは、ポストイットがほしい
- WSの内容と進め方が理解できなかった。(細分化されすぎて、また質問づくり、ということで話したいことが殆んど話せなかった)
次回のFDフォーラムにむけて(そうなのです。2016年度も担当することになっており、現在企画準備中です。)、あるいはそれまでにあるであろう様々なハテナソンで、その気付きを活かした改善と発展をモノにしていきたいと思います!
(ハテナソンとは何ですか? 2016/03/06 大学コンソーシアム京都FDフォーラム第1分科会にて:おわり)
ハテナソンとは何ですか? 2016/03/06 大学コンソーシアム京都FDフォーラム第1分科会にて(その5)
表記テーマ(その4)公開からだいぶ時間が経ってしまいました。今回は、ハテナソンの結果得られた質問のリストを以下のとおり公開します。ご覧のとおり、登壇者の4名プラスアルファ(井手町関係者や学生からの報告もあったため、その関係の質問もありました)への質問、そしてハテナソンで設定した4つの質問の焦点に対する質問が並びました。分科会当日は、これらの質問の一部をグループワークのいくつかから参加者全員に公表してもらうまでをおこないました。そして、分科会終了後に質問を集計し、大学コンソーシアム京都が発行する報告書上で、質問への回答・コメント返しをおこなうということにしました。
これらの質問への回答・コメントは、大学コンソーシアム京都のホームページで公開されているFDフォーラム実施報告書(下記URL)でご覧頂けます!
http://www.consortium.or.jp/wp-content/uploads/fd/15454/03-21thfdf-bunkakai01.pdf
(つづく)
ハテナソンとは何ですか? 2016/03/06 大学コンソーシアム京都FDフォーラム第1分科会にて(その4)
「たった一つを変えるだけ」を初めて読んだ日から2週間あまり、ようやく人生初のハテナソンを実施するための台本案(たたき台)ができあがりました。以下は、その内容を分科会関係者に共有したときのメール文と添付資料です。(つづく)
----- Original Message -----
件名: FDフォーラム分科会にかかるご連絡(2016/02/17)
送信者: "佐藤賢一" 送信日時: 2016年02月17日(水) 宛先: 省略
> FDフォーラム第1分科会 関係のみなさま 京都産業大学の佐藤です。お世話になっております。
> 添付の通り、オープンディスカッションの実施概要を含む全体の流れ案を作成しました。ご検討頂きたくよろしくお願いいたします。なお、今のところ新たな打事前合せはしなくてもよさそう、と考えています。
> 皆さんから頂いたオープン・クエスチョンを材料として、4つの「質問の焦点」(Question Focus)を立てました。次の通りです。
関与者の協働 期待される学生の成長 学修成果アセスメント 学内外での位置付けの未来像
> また、「質問の焦点」ひとつひとつに「要素」を箇条書きにしています。これは今までに集め得た情報(みなさんからのオープンクエスチョン、情報提供やご意見等を含む)や知見を整理しており、質問づくりの背景とすべき概念や定義や問題意識を記しています。
> 参加者に午前の部の終りに(20分)、4人グループの形成(最大26グループ) 、アイスブレイク、「質問の焦点」の選択、をおこないます。そして、午後のオープンディスカッションで(60分)、選択した「質問の焦点」に対する質問づくりをしてもらう、というアイデアです。
> よい質問を考えることがよい学びの王道である、という理念のもと、民主的な設定/環境のもとで参加者に最も重要な質問を1つ作り出してもらい、どのような質問が出来たかを発表してもらい、そして登壇者がコメントバックします。全ての成果物(25程度作られる見込)を発表/コメントバックできないので、報告集で質問+コメント集を作り、参加者にお返ししようと思います。
> 少しトリッキーな取組みに映ると思います。ごく最近に図書とインンターネットを通して仕入れたアクティブラーニングの手法を採用しています。面白がってもらえれば嬉しいですが・・。忌憚のないご意見を頂ければと思います。質問づくりの詳細は配布資料のかたちにして事前に共有します。
> 以上、お忙しい中いつも恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
> 佐藤賢一
(つづく)
ハテナソンとは何ですか? 2016/03/06 大学コンソーシアム京都FDフォーラム第1分科会にて(その3)
「たった一つを変えるだけ」のエッセンスを抜粋したレジュメ作りを終えて、次に分科会の企画立案に移りました。分科会では、立命館大学サービスラーニングセンターの取り組みに関わっていらっしゃる教職員お二人、そして京都産業大学の経済学部ゼミ活動で井出町活性化に取り組んでいる教員一名、同大学ボランティアセンター職員一名、さらには京都府綴喜郡井出町活性化の取り組みとつながりのある井出町関係者に登壇していただきことにしていました。そして中心テーマを地域貢献アウトキャンパス活動をして、その正課授業での取り組みをメインに、かつ正課外授業の取り組みも事例として共有することにしていました。そこで課題となったのが、この振り返りノートの冒頭にも書いたように、登壇者とそのほかの参加者とのあいだの意見交換やディスカッションをどう設計し運営するか、ということでした。この課題解決に質問づくりワークショップを、ハテナソンを使おうと考えたのです。(つづく)