ハテナソン hatenathon

こんにちは、当ブログ作成者のサトーケニチこと佐藤賢一です。ハテナソンは、一人一人の発想が尊重され、かつ民主的なルールのもとで質問をつくる取り組み、ワークショップなどのことを意味する造語です。人と人とがむすびつき、あらゆる場での学びがより豊かになること、そして人生がより豊かになることがハテナソンをおこなう目的です。このブログはさまざまな場で行っているハテナソンの方法や内容を記録し、好奇心・関心のあるひとの間で共有・情報交換することができればという願いをもち開設しました。よろしくお願いいたします!

ハテナソンとは何ですか? 2016/03/06 大学コンソーシアム京都FDフォーラム第1分科会にて(その4)

「たった一つを変えるだけ」を初めて読んだ日から2週間あまり、ようやく人生初のハテナソンを実施するための台本案(たたき台)ができあがりました。以下は、その内容を分科会関係者に共有したときのメール文と添付資料です。(つづく)

----- Original Message -----

件名: FDフォーラム分科会にかかるご連絡(2016/02/17)

送信者: "佐藤賢一" 送信日時: 2016年02月17日(水) 宛先: 省略

> FDフォーラム第1分科会 関係のみなさま 京都産業大学の佐藤です。お世話になっております。

> 添付の通り、オープンディスカッションの実施概要を含む全体の流れ案を作成しました。ご検討頂きたくよろしくお願いいたします。なお、今のところ新たな打事前合せはしなくてもよさそう、と考えています。

> 皆さんから頂いたオープン・クエスチョンを材料として、4つの「質問の焦点」(Question Focus)を立てました。次の通りです。

関与者の協働 期待される学生の成長 学修成果アセスメント 学内外での位置付けの未来像

> また、「質問の焦点」ひとつひとつに「要素」を箇条書きにしています。これは今までに集め得た情報(みなさんからのオープンクエスチョン、情報提供やご意見等を含む)や知見を整理しており、質問づくりの背景とすべき概念や定義や問題意識を記しています。

> 参加者に午前の部の終りに(20分)、4人グループの形成(最大26グループ) 、アイスブレイク、「質問の焦点」の選択、をおこないます。そして、午後のオープンディスカッションで(60分)、選択した「質問の焦点」に対する質問づくりをしてもらう、というアイデアです。

> よい質問を考えることがよい学びの王道である、という理念のもと、民主的な設定/環境のもとで参加者に最も重要な質問を1つ作り出してもらい、どのような質問が出来たかを発表してもらい、そして登壇者がコメントバックします。全ての成果物(25程度作られる見込)を発表/コメントバックできないので、報告集で質問+コメント集を作り、参加者にお返ししようと思います。

> 少しトリッキーな取組みに映ると思います。ごく最近に図書とインンターネットを通して仕入れたアクティブラーニングの手法を採用しています。面白がってもらえれば嬉しいですが・・。忌憚のないご意見を頂ければと思います。質問づくりの詳細は配布資料のかたちにして事前に共有します。

> 以上、お忙しい中いつも恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

> 佐藤賢一

www.slideshare.net

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(つづく)

ハテナソンとは何ですか? 2016/03/06 大学コンソーシアム京都FDフォーラム第1分科会にて(その3)

「たった一つを変えるだけ」のエッセンスを抜粋したレジュメ作りを終えて、次に分科会の企画立案に移りました。分科会では、立命館大学サービスラーニングセンターの取り組みに関わっていらっしゃる教職員お二人、そして京都産業大学の経済学部ゼミ活動で井出町活性化に取り組んでいる教員一名、同大学ボランティアセンター職員一名、さらには京都府綴喜郡井出町活性化の取り組みとつながりのある井出町関係者に登壇していただきことにしていました。そして中心テーマを地域貢献アウトキャンパス活動をして、その正課授業での取り組みをメインに、かつ正課外授業の取り組みも事例として共有することにしていました。そこで課題となったのが、この振り返りノートの冒頭にも書いたように、登壇者とそのほかの参加者とのあいだの意見交換やディスカッションをどう設計し運営するか、ということでした。この課題解決に質問づくりワークショップを、ハテナソンを使おうと考えたのです。(つづく)

ハテナソンとは何ですか? 2016/03/06 大学コンソーシアム京都FDフォーラム第1分科会にて(その2)

職場の本屋さんで見つけたダン・ロスステイン氏とルース・サンタナ氏による「たった一つを変えるだけ」(翻訳:吉田 新一郎 氏)は黄色が印象的な装丁の、手にとったときの質感が心地よい本でした。こういう相性の良さも得難い本と出会うときの、不思議な巡り合わせかもしれません。ともあれ、この本を購入し、自室に持ち帰ってすぐに読み始めました。読めば読むほど、素晴らしい、これは自分のための本であることがわかりました。こんな風に感じながら本を読むことは、今まであっただろうか?とも思うくらいに衝撃的でした。そして本を読みながら、つまり読み終える前から、この本にある内容はFDフォーラム分科会の企画にすぐに役立つに違いないと確信しました。そうしてレジュメ作りをしたのがこの資料です。(つづく)

www.slideshare.net

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ハテナソンとは何ですか? 2016/03/06 大学コンソーシアム京都FDフォーラム第1分科会にて(その1)

 初マラソンならぬ初ハテナソンは、今年の3月に京都外国語大学でおこなわれた大学コンソーシアム京都FDフォーラムの第1分科会という場で実施しました。ここに掲載するのはそのときのパワーポイント資料(ホームページ用に少しだけ加工しました)です。これからの何日間かをかけて、そのときの経緯をたどってみようと思います。

 今年(2016年)の2月はじめに職場の構内にある紀伊国屋書店で「たった一つを変えるだけ」という翻訳本を見つけました。めったに行くことのない本屋で、めったに眺めることのないコーナーで(教育関係)、その本は見つかりました。当時わたしは、1ヶ月後に開催される大学コンソーシアム京都FDフォーラム(*1)の分科会コーディネーターとして、ちょっと頭を抱えていました。登壇者と参加者との間で行うワークショップの方法と中身をどうしよう、と。(つづく)

www.slideshare.net

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ハテナソンって、どんなん? 160913_ハテナソン体験&勉強会について(その4)

160913_ハテナソン体験&勉強会に参加のみなさんへ:先日はありがとうございました。質問の焦点、つくられた重要な質問、振り返りテキスト(本ブログでは非公開とし、別途配信いたします)を共有いたします。

 

質問の焦点(ハテナソン/質問づくりのテーマ):「職員採用 知識より人間力」という見出しの記事(読売新聞2016年9月13日朝刊の京都地域紙面)


つくられた重要な質問(3つ/チーム、4チーム分:計12個)
・面接の場でどのように人間力をはかるのか?
・これまでの採用方式では対応できないと判断された具体的な事例はどのような
ものか?
・「京都方式」と名付けたのはなぜか?
・誰が創造的行動を持った人を選び、どのように使いこなしているのか?
・新しい採用方法のコストパフォーマンスはどうなっているのか?
・創造的な行動とたくさんの知識を持っていることは両立しないのか?
・住民のニーズはどのように多様化しているのか?
・行政のスピード感や柔軟な対応、創造的な行動を見極めるためにどのように面
接を工夫しているのでしょうか?
・多様な人材を得るためにどのようにくふうされるのでしょうか?
・求められる人間力とは何なのか?
・面接ではどのような工夫があったのか?
京都府外(全国)の自治体の試験はどのようになっているのか?

振り返りテキスト(本ブログでは非公開とし、別途配信いたします)

やっぱり面白いです。たくさんのフィードバックにも感謝感謝です!仕事に直結
する話題・課題、個人的な興味・関心、身の回りや社会全体のことなど、またお
互いに質問づくりして、対話・交流ができるといいですね。またやりましょう!

 

佐藤賢一/サトーケニチ
はてなのみちはみちのみち

(ハテナソンって、どんなん? 160913_ハテナソン体験&勉強会について:おわり)

ハテナソンって、どんなん? 160913_ハテナソン体験&勉強会について(その3)

 収束思考ワークは2つ。その1つ目は、作られた質問は“開いた質問”あるいは閉じた質問”の二種類に分類できること、そして、閉じた質問を開いた質問に、あるいは開いた質問を閉じた質問に変換することが可能であることを学ぶワークでした。このワークにより、はじめて個々の質問の特徴やクオリティ(その質問によりどのような答えが導けるか・期待できるか、等)をじっくり検討します。2つ目は、チーム内で作られた質問を共有し、優先順位の高い質問を選び出すワークをおこないました。各チームで十数個以上出ている質問の中から、3つに絞り込むことにしました。このとき、いくつかの質問を組合わせたり、まったく新しい質問をつくって3つのうちに加えてもよいことにしました。このワークで批判的思考力、選ぶ力が養われることが期待されています。質問の絞り込みをする時はまた「なぜこの質問は重要なのか」の理由を考え、参加者全員に説明できるよう準備・検討してもらいました。これらの取組にはおよそ30分間程度を費やしました。

 各チームが絞り込んだ質問のうちの1つを、その選定理由とともに紹介してもらい、チーム間での質問づくりの観点の違いや共通点を確認・実感しました。そしてハテナソン体験の最終段階として、7つの質問(ここではじめてコーディネータからの質問に参加者が答えるという形になります)への回答を作成しました。ここまでで、総計90分間くらいでした。みなさん、たいへんお疲れさまでした!(つづく)

ハテナソンって、どんなん? 160913_ハテナソン体験&勉強会について(その2)

 参加者13名の内訳は、教育職員7名、事務職員5名、研究員1名で、男女比は5:8でした。3人あるいは4人グループを計4つ作りました。質問の焦点に用いる新聞記事を共有し、質問だしワークにおける4つのルール(できるだけたくさん質問する、お互いに評価し合わない、等)を学んだあと、グループ内で質問だしワークをおこないました。質問だしワークは4つの段階に分けておこないました。第1段階は、個々による新聞記事の読み込みで、6分間程度おこないました。第2段階はグループ内での質問だしで、4分間おこないました。質問だしをしている間は拡散思考でとにかくありったけの質問を発言して、お互いにその内容を書きとめます。第3段階は1分間、質問だしの休憩をかねて個々に新聞記事の読み直しをおこないました。第4段階は2回目のグループ内での質問だしで、4分間おこないました。このように全体で15分間プラスアルファで質問だしワークを完了しました。各グループで20以上の質問が出ていたと思います。これら出てきた質問を検討する収束思考ワークが2つ待っています。(つづく)